公開日:2025年7月8日

「美術館 学芸員の昼メシ」#4|アーツ前橋 井波吉太郎さんおすすめ! 海なし県で新鮮な魚介を味わえるこだわりの名店(群馬県前橋市) #美メシ

美術館周辺のグルメ情報をお届けする連載4回目! 学芸員や美術館スタッフが「行きつけのお店」を教えます

「みやたや」の「ジャンボアジフライ定食」(1300円) 撮影:筆者

美術館周辺の美味しいお店を教えて!

アート好きには食好きも多いのではないでしょうか。遠出して美術館に行くなら、美味しいものも楽しみたい。逆に、美味しいものを目当てに訪れた場所で、美術館にも立ち寄りたい、ということもあるのでしょう。

本シリーズ「美術館 学芸員の昼メシ」(略して #美メシ)では、全国各地の美術館で勤務する学芸員やスタッフの方々に、「うちに来たらここに寄れ!」という、とっておきのお店を教えてもらいます。ランチに限らずお茶や夕飯におすすめのカフェやレストランも登場するかも。

今回は、アーツ前橋の学芸員、井波吉太郎さんが登場です。【Tokyo Art Beat】

鮮度にこだわり! 「海鮮料理 みやたや」

和洋中華、お薦めしたいお店がたくさんありますが、知り合いの作家が来館する日などに一緒にランチに行くお店が海鮮料理「みやたや」さんです。

群馬県は、全国に8県ある「海なし県」のひとつですが、高崎を起点とする三国街道(現在の国道17号)を通じて日本海側とつながり、また、前橋を起点とする国道50号を東へ進めば水戸へ直通するなど、交通の要衝としての立地により、新鮮な海産物が手に入りやすい県だと思います。

昼時は入店待ち列が出来るほどの人気店 撮影:筆者

アーツ前橋から徒歩5分の場所にある「みやたや」は、その日の仕入れに応じてメニューが変わる、旬の魚介を楽しめる前橋の名店です。冷凍ものを一切使用しない鮮度へのこだわりも人気の理由です。

どれを食べようか選ぶのに時間がかかってしまうくらい情報量の多い手書きのメニュー 撮影:筆者

壁に掲示してあるメニューを見ると、この日は800円の「生ニシン定食」から2500円の「差し盛り定食」まで値段もボリュームの様々。各メニューの仕入れ先を見てみると北海道、青森、宮城、岩手、福島、茨城、石川、千葉、神奈川、島根、広島、長崎、鹿児島、ざっと13の地域から水揚げされた食材が提供されています。このことからもお店の食材へのこだわりが感じ取れます。

新鮮な刺し盛り定食などももちろんお薦めなのですが、「みやたや」の定番メニューといえば「ジャンボアジフライ定食」(1300円)!

その大きさに、初見の人は思わず「これ、アジフライ!?」と声を上げてしまうだろう。 撮影:筆者

「みやたや」のジャンボアジフライは、サクサクとした衣の歯ごたえとふんわり柔らかな身のバランスが絶妙で、ほどよい油分と塩味がきいており、調味料なしでもご飯が進む味わいです。小骨は取り除かれており、尾びれ以外はまるごと食べられます。定食には小鉢、あら汁、ご飯が付き、デザートの代わり?として乳酸菌飲料がつきます。(私はその場では飲まずに持ち帰って、あとで飲むのが好きです)。

みやたや
🗓️
月~水・金・土|木・日定休
📍群馬県前橋市本町1-3-8
🐾アーツ前橋から徒歩5分
🚃前橋駅駅から徒歩15分
公式サイト
Map

できたてビールを楽しめる「ルルルなビール」

もうひとつ、私の行きつけのお店をご紹介。アーツ前橋から徒歩2分の場所にあるブルワリーパブ「ルルルなビール」です。1階はクラフトビールの醸造所、2階は気軽に立ち寄れるビアスタンドになっていて、できたてのビールをその場で楽しむことができます。

ブルワリーパブ「ルルルなビール」の外観 撮影:筆者
前橋のクラフトビール「思案坂」 撮影:筆者

醸造所で造られる「思案坂」(ABV:6%)は、麦とホップをそれぞれ一種類だけ使用して仕込まれた前橋のまちなか生まれのクラフトビール。素材の風味をしっかりと楽しめるいっぽうで、飲みやすさにもこだわったビールに仕上がっています。群馬県産のソーセージを盛合わせた「クラフトソーセージプレート」と一緒に味わうのがオススメ。ノンアルコールやジュース、お子様メニューも用意されているので、家族連れでも気兼ねなく楽しめるお店です。

ルルルなビール
🗓️
水〜月|火曜定休
📍群馬県前橋市本町2-1-12
🐾アーツ前橋から徒歩2分
🚃前橋駅駅から徒歩15分
公式サイト
Map

アーツ前橋へ!

美術館のエントランス外観 撮影:筆者

アーツ前橋では7月19日から「新収蔵作品展/コレクション+ 女性アーティスト、それぞれの世界」を開催します。

1階ギャラリーでは「新収蔵作品展」を開催。近年新たにコレクションに加わった作家・作品をお披露目(出品作家:大澤竹胎、木津本麗、多胡宏、松山智一、道又蒼彩、森本啓太)。

地下ギャラリーでは「コレクション+ 女性アーティスト、それぞれの世界」として、アーツ前橋が所蔵する女性アーティストによる絵画、彫刻、写真、映像作品を一堂に展示します(出品作家:イケムラレイコ、石内都、アンナ・ヴィット、岡田菜美、片山真理、川内理香子、木原千春、幸田千依、ティタ・サリナ、塩原友子、鈴木のぞみ、高畑早苗、田村尚子、津上みゆき、寺村サチコ、林麻依子、ワプケ・フェーンストラ、フカミエリ、ケレン・ベンベニスティ、松川朋奈、三宅砂織、三輪途道、村上早、やなぎみわ)。

また、現在注目される女性作家である白井ゆみ枝と津野青嵐の2名を招聘し、その作品を紹介します。多様な表現を通じて、彼女たちの創造する世界をさらに広げていくことを試みます。

近隣にある前橋文学館では「最果タヒ展」(9月21日まで)を開催中です。萩原朔太郎についての常設展や吉増剛造ルームも公開されていますので、展覧会とおいしいもの巡りをあわせて、ぜひ夏の前橋にお越しください!!

【次回】

井波さんが次の案内人に推薦するのは、芦屋市立美術博物館の大槻晃実さん。どんなグルメが飛び出すのか、どうぞお楽しみに!

井波吉太郎

井波吉太郎

いなみ・よしたろう アーツ前橋学芸員。日本大学藝術学部写真学科卒業後、フォトグラファーとして商業写真に従事。東京大学大学院学際情報学府博士前期課程修了。世田谷文学館学芸員、東京都現代美術館学芸員を経て現職。専門はアーカイブズ学およびメディア文化史。映像・写真・印刷物といったエフェメラルな資料のアーカイブの実践と研究、オルタナティブスペースの運営、作家へのインストール指導など、「批評」とは異なるアプローチからも美術に関わっている。
主な企画展に「山へ!to the mountains展」(2017年、世田谷文学館)、「吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる」(2022年、東京都現代美術館)などがある。