公開日:2025年8月22日

2027年開催「ドクメンタ16」、史上初の全員女性によるキュレーション・チームを発表

2027年6月12日から9月19日まで、ドイツ・カッセルで開催される「ドクメンタ16」は、初の黒人女性としてアーティスティック・ディレクターを務めるナオミ・ベックウィスが率いる5人体制で運営される

「ドクメンタ16」キュレーション・チーム 左から、ロミ・クロフォード、マイラ・A・ロドリゲス・カストロ、シャオユー・ウェン(翁小雨)、カーラ・アセベド=イェーツ、ナオミ・ベックウィス Kassel 2025 Photo: Nicolas Wefers

ドクメンタ史上初の全員女性のチーム

2027年にドイツ・カッセルで開催される現代アートの国際展「ドクメンタ16」のキュレーション・チームが発表された。1955年の創設以来初となる全員女性のチームによる運営体制で、昨年12月にアーティスティック・ディレクターに就任したナオミ・ベックウィスが中心となって展覧会を企画する。

第16回となる今回は、2027年6月12日から9月19日まで開催される予定。初の黒人女性としてアーティスティック・ディレクターを務めるベックウィスは、カーラ・アセベド=イェーツロミ・クロフォードマイラ・A・ロドリゲス・カストロシャオユー・ウェン(翁小雨)の4名をコアチームメンバーに選出した。

多様な専門性を持つ国際的チーム

チームメンバーはそれぞれ異なる地域的背景と専門分野を持つ。カーラ・アセベド=イェーツはカリブ海とラテンアメリカのディアスポラに焦点を当てた南北アメリカの現代美術を専門とする。ロミ・クロフォードはアメリカ視覚文化における人種と民族の問題を探求する研究活動で知られる。

作家・編集者でもあるマイラ・A・ロドリゲス・カストロは、アーカイヴ、詩、歌、土地などに潜む記述に注目する研究を展開。いっぽう、シャオユー・ウェンはグローバル化、フェミニズム、アイデンティティ、脱植民地化などをテーマに、生態学的・環境的変革に焦点を当てた実践を行ってきた。

ベックウィスは今回の発表にあたり、「このチームとともに『ドクメンタ16』を創り上げていけることを光栄に思う。アーティストと観客に対する思いやりに支えられている彼女らの独立した精神と思考は素晴らしいと感じている。ともに多様な芸術領域を横断し、私たちが直面している重大な多様な社会的・文化的課題と対話できることを楽しみにしている」とコメントしている。

前回の混乱を経て新体制へ

なお、ベックウィスの任命に至るまでには複数の課題が生じていた。前回の「ドクメンタ15」が「反ユダヤ主義的」だとして批判を受け、ドイツ国内でキャンセル・カルチャーが巻き起こった影響が続いていた。さらに、2023年11月には選考委員会が総辞職する事態に発展し、計画は一時白紙となった。2024年に森美術館館長の片岡真実を含む6人による新たな選考体制が組織され、同年末にベックウィスの選出に至った。

史上初の全員女性によるキュレーション・チームによる新体制が困難を克服し、どのような展覧会を生み出すか期待が高まっている。

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