いま世界を席巻しているアニメ『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ(KPop Demon Hunters)』を見ました。
本作は、6月20日にNetflixで配信が始まったソニー・ピクチャーズ アニメーション制作のオリジナル作品。配信開始直後からNetflixのワールドワイド映画部門で26か国の1位を獲得し、サウンドトラックも米ビルボードの「Billboard 200」で3位にランクインするなど、大きな旋風を巻き起こしています。
物語の中心となるのは、ルミ、ミラ、ゾーイの3人からなるガールズグループ「Huntr/x(ハントリックス)」。彼女たちはスタジアムを満員にし、「METガラ」にも呼ばれるK-POP界のスーパースターでありながら、秘密の能力を使ってデーモンの脅威から大切なファンを守る“デーモンハンター”というもうひとつの顔を持っています。そんな彼女たちの前に、ボーイズグループ「Saja Boys」に扮したデーモンたちが現れ、壮大な戦いが始まる──というのが大まかなストーリーです。
一見トンチキな設定ながら、K-POPファンにはお馴染みの光景が散りばめられ、キャッチーな楽曲や韓国ドラマで見たことがあるような演出も満載。見ていて楽しいミュージカル作品でした。個人的には、『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』ミーツ『アナと雪の女王』、のような印象を抱きました。
ヴィランであるSaja Boysの「悪魔的」なパフォーマンスも、もちろん空を飛んだりするのは現実にはありえないものの、様々なコンセプトを自在にこなすK-POPグループのステージとしては「ありそう」と思えてしまい、あらためてK-POPのフィクショナルな魅力を認識したりもしました。ただ、「ファンのために、世界のために戦うアイドル」の姿には、現実のアイドルに向けられる幻想と願望が投影されているようで、少し苦しくも感じてしまいました。
監督は、韓国系カナダ人のマギー・カンとクリス・アペルハンス。劇中グループHuntr/xとSaja Boysは、実際のK-POPグループからインスピレーションを受けて作られたそうで、楽曲制作にはTHE BLACK LABELのTEDDYをはじめとするK-POP界のプロデューサー陣が参加しています。主題歌を歌うのはTWICEのメンバー。また実在のK-POPアイドルたちがSaja BoysのダンスチャレンジやHuntr/xのカバーに次々と挑戦するなど、現実とのリンクも生まれていて、興味深い現象です。
BTSやBLACKPINKといったグローバルグループの久々のカムバックが控えるいま、「デーモン・ハンターズ」旋風がどのように展開していくのか。すでにアカデミー賞の長編アニメーション部門の有力候補に挙げる声もあるそう。今後の動きにも注目したいです。