今年のシルバーウィークは、9月13日〜15日と、9月20日、21日、23日。22日は平日だが後半は最大4連休となる。同期間中に、東京都内の美術館や博物館、ギャラリー等で開催されている、注目の展覧会をエリア別に紹介。気になる展覧会を見つけて、お出かけに役立てて欲しい。
*気になるイベントはウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
*各展覧会の会期・内容は予告なく変更になる場合があるため、お出かけ前には公式ウェブサイトをご確認ください。
「時代を映し出す鏡」と言われる美術は、後の世代によって新たに意味づけられ、過去から現在に至る人々の美意識や歴史への眼差しの変化を映している。本展は「昭和100年」「戦後80年」を迎える2025年の節目に、同館のコレクションとアーカイヴ資料から美術に堆積した記憶を読み解き、多様な視点で歴史に迫る美術館の新たな可能性を提示する。レポートはこちら。
会場:東京国立近代美術館
会期:7月15日〜10月26日
石橋財団が長年にわたり収集してきたオーストラリア現代美術の中から、初めて女性アボリジナル作家に焦点を当てた展覧会。国際的に再評価が進むアボリジナル・アートの動向とも呼応し、地域に根ざした多様な表現を紹介する。所蔵作家4名を含む、計7名と1組の作家による作品を通じて、オーストラリア先住民美術への理解を深めるとともに、現代アートとしての魅力を再発見する機会となっている。レポートはこちら。
会場:アーティゾン美術館
会期:6月24日〜9月21日
「EXPO 2025 大阪・関西万博」の休憩所ほか設計業務の公募型プロポーザルにて選ばれた20組の建築家たちによるグループ展。建築家それぞれが立てた問いや、どのように複雑な状況に対峙してきたのかを貴重な資料群を通じて見せるとともに、新しい建築の当事者像を浮かび上がらせる。監修は平田晃久、アドバイザーは藤本壮介が担当。
会場:TOTOギャラリー・間
会期:7月24日〜10月19日
ダンケルク(フランス)にあるフランスの現代美術地域コレクションFRAC Grand Large(フラック・グラン・ラルジュ)が所蔵する作品を紹介。<社会的身体>をテーマに、ヨーロッパ(フランス、イギリス、ベルギー、イタリア、ギリシャ、ルーマニア)、アメリカ、日本出身の13人のアーティストによる、1973年から2025年までの作品が揃う。アートによってもたらされる日常や秩序の可変性に着眼しつつ、個人あるいは集団的に機能する社会的な身体について考察する。
会場:銀座メゾンエルメス
会期:7月19日〜10月12日
奥深いインド更紗の展開を紹介する展覧会。染織の難しい木綿布に茜や藍などの天然染料を用いて生産されたインド更紗は、宗教儀礼や室内装飾、服飾など様々な用途に使われ、鮮やかな色彩とのびやかデザインが特徴だ。紀元1世紀には主要な交易品として東南アジアやアフリカへと渡り、大航海時代には東インド会社の設立に伴って世界中に輸出されたことから、他国の要望に応じたデザインも作られるようになった。本展では、世界有数のコレクターが集めた選りすぐりの品々が並ぶ。
会場:東京ステーションギャラリー
会期:9月13日〜11月9日
髙田安規子・政子は、一卵性双子のユニットで活動するアーティスト。身近な素材を用い、アートと科学を融合させた独自の感性により、空間や時間の「スケール(尺度)」をテーマに制作を行っている。ふたりは今回の展覧会のために、これまでの作品に通底する考えを整理し、リサーチを深め、新たな展開を図った。本展の中心となる新作《Strata》は積み重ねた本を地層に見立てた作品で、資生堂ギャラリーの小展示室の床から踊り場の床下までつながる本棚を作り、約500冊の本とそのあいだに配置した鉱石や化石により、生物の誕生から人新世までの時と知の連なりを表す。ニュースはこちら。
会場:資生堂ギャラリー
会期:8月26日〜12月7日
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)の作品を受け継いだ、家族のコレクションに焦点を当てる展覧会。ゴッホの画業支えた弟テオ、テオの死後に膨大なコレクションを管理したテオの妻ヨー、そのコレクションを散逸させないために、フィンセント・ファン・ゴッホ財団を作り、美術館の設立に尽力したふたりの息子フィンセント・ウィレムの3人の存在に光を当てながら、アムステルダムのファン・ゴッホ美術館のコレクションを中心に紹介する。30点以上のフィンセントの作品に加え、日本初公開となる4通の手紙も展示。大阪市立美術館で開催された本展のレポートはこちら。
会場:東京都美術館
会期:9月12日〜12月21日
世界的に稀少な品々が約1300年の時を経てなお良好な状態で伝えられている正倉院とその宝物を、最新のデジタル技術や空間演出とともに紹介する展覧会。その最大の見どころは、「天下第一の名香」と呼ばれ、あの織田信長も熱望したと言われる香料「蘭奢待(らんじゃたい)」の香りの展示だ。これまで謎に包まれていた名香が、高砂香料工業株式会社(本社:東京都大田区)の協力のもと行われた、成分分析などの詳しい調査によって蘇った。会場には再現した香料の入ったガラス容器が設置され、カバーを取って香りを楽しめる。ニュースはこちら。
会場:上野の森美術館
会期:9月20日〜11月9日
スウェーデン国立美術館のコレクションにフォーカスする本展では、ルネサンスからバロックまでの名品約80点を選りすぐって紹介。素描とは、木炭やチョーク、ペンなどを用いて対象の輪郭、質感、明暗などを表現した線描中心の平面作品を指すが、環境の変化や光、振動などの影響を受けやすいため、通常、海外で収蔵されている素描作品を日本で公開することは難しい。スウェーデン国立美術館の素描コレクションがこれほどまとまった数で来日するのは初めての機会となる。レポートはこちら。
会場:国立西洋美術館
会期:7月1日〜9月28日
鎌倉時代を代表する仏師・運慶の仏像が安置される空間をそのまま伝える奈良・興福寺の北円堂。本尊の弥勒如来坐像と、両脇に控える無著・世親菩薩立像は、運慶晩年の傑作として広く知られている。北円堂は通常非公開だが、弥勒如来坐像の修理完成を記念し、約60年ぶりの寺外公開が決定。本展では、弥勒如来坐像、無著・世親菩薩立像と、かつて北円堂に安置されていたとされる四天王立像の合計7軀の国宝仏を一堂に展示し、鎌倉復興当時の北円堂内陣の再現を試みる。
会場:東京国立博物館
会期:9月9日~11月30日
戦前から画業を始め、戦後は日本の抽象絵画のパイオニアとして足跡を残した難波田龍起。海外から流入する動向を咀嚼しながらも、情報に流されたり特定の運動に属したりすることなく、独自の道を探求した。難波田の生誕120周年を機に行われる本展では、同館収蔵品に加え、全国の美術館の所蔵品、個人像の作品なども交え、難波田の画業の全貌を振り返り、今日的な視点から検証する。レポートはこちら。
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:7月11日〜10月2日
20世紀初頭のパリの街並みを描いた風景画で知られるモーリス・ユトリロ(1883〜1955)は、生まれ育ったモンマルトルや、彼が暮らした郊外の景色を数多くの油彩画に残した。彼の画家としての歩みには、家族との複雑な関係や、幼少期からのアルコール依存といった要素が絡み合っており、その経験が独自の世界観を築き上げている。波乱に満ちた人生を送りながらも、唯一無二の視点と色彩感覚で当時の美術界を席巻した、エコール・ド・パリの画家の全貌に迫る。
会場:SOMPO美術館
会期:9月20日〜12月14日
各地でプロジェクトを展開している建築家の藤本壮介。本展は、藤本にとって初の大規模な回顧展であり、活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトまで主要作品を多数紹介し、四半世紀にわたる建築家としての歩みや建築的特徴、思想を概観する。模型や設計図面、記録写真に加えて原寸大模型やインスタレーションなども展示に含まれる。レポートはこちら。
会場:森美術館
会期:7月2日〜11月9日
本展は、アジアを代表する美術館のひとつである香港の現代美術館M+と国立新美術館による共同キュレーションによって実現。平成が幕を開けた1989年から2010年までの約20年間にわたって、日本のアートシーンに登場した革新的な表現に光を当てる。50を超える国内外のアーティストによる実践を通じて、表現がどのように時代や社会と交差し、反応してきたかが立体的に描き出される。ニュースはこちら。
会場:国立新美術館
会期:9月3日〜12月8日
絵師・金蔵は幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風を残し、地元高知では「絵金(えきん)さん」の愛称で長年親しまれてきた。歌舞伎や浄瑠璃のストーリーを極彩色で絵画化した芝居絵屏風は、同時代の絵画のなかでも一段と異彩を放つものであり、小説・舞台・映画の題材としても取り上げられている。本展は、その多くが神社や自治会などに分蔵されている、絵金の芝居絵屏風まとめて見ることの出来る貴重な機会となる。
会場:サントリー美術館
会期:9月10日〜11月3日
ローマを代表するジュエリーブランド、ブルガリが、日本で10年ぶりとなる過去最大規模の展覧会を開催。色彩・文化・技巧に焦点を当て、貴重な個人コレクションを含む約350点のジュエリーがメゾンの歴史を彩る。タイトル「カレイドス」は、ギリシャ語で「美しい(カロス)」と「形態(エイドス)」を意味し、美と創造性が調和するダイナミックな色彩世界の旅を象徴する。ブルガリ・ヘリテージ・コレクションに加え、森万里子、ララ・ファヴァレット、中山晃子による現代アート作品も展示される予定だ。
会場:国立新美術館
会期:9月17日〜12月15日
欧米での個展の開催やドキュメンタリー映画の発表など、近年国際的に注目されるイタリアの写真家、ルイジ・ギッリ。その類稀な色彩、空間、光への美的感覚と、ありふれたものをユーモラスに視覚化する才能により、写真表現を新たなレベルへと引き上げた。本展は、ギッリによるアジア初の美術館個展となる。ニュースはこちら。
会場:東京都写真美術館
会期:7月3日〜9月28日
東京都現代美術館の開館30周年を記念して開催される本展は、家庭や美術館のような制度的空間から、ムンバイや沖縄などの都市空間まで、異なる場所における日常的な身振りや営みに注目し、それらがいかに社会によって規定されてきたかを問い直す現代アートの大規模展だ。タイトルに含まれる「コレオ(コレオグラフィー)」とは、ダンスやパフォーマンスにおける「振付」を意味する単語。文化、政治、経済などによって無意識のうちに振り付けられた私たちの言動を、現代アートの幅広い表現によって解きほぐす。ニュースはこちら。
会場:東京都現代美術館
会期:8月23日〜11月24日
ニューヨークを拠点に、パフォーマンス、ダンス、インスタレーション、映像など、メディアを横断した作品を手がける笹本晃。自ら設計・構成した彫刻や装置をインスタレーション空間に配置し、それらをスコアのように用いて即興的なパフォーマンスを展開する作品で知られる作家にとって、自身初となるミッドキャリアを回顧する個展となる。初期の代表作から、キネティックな要素が強まる最新作まで、約20年にわたって造形とパフォーマンスの関係を探究し、独自の実践を重ねてきた異才とその作品を動的に検証する。
会場:東京都現代美術館
会期:8月23日〜11月24日
昭和100周年を迎える本年、世田谷美術館では戦前に「女流画家」としての道を歩んだ女性たちに光を当てるコレクション展が開催中。東京美術学校(現・東京藝術大学)に女性の入学が許されていなかった時代に、先陣を切って美術の世界に飛び込んだ作家から、現在も活動を続ける作家まで、現代を生きる人びとへのエールとなるような作品と生き様を紹介する。
会場:世田谷美術館
会期:7月26日〜11月3日